〜この空の様に、もっと人と繋がりたい〜

世界一自分のことが嫌いな私が認識技術をきっかけにして世界一私のことが好きな私になれた物語

少し前の話

手を縛られてるみたいだった


手を掴まれて、動けなくされているようだった



あっちへいこうとすれば


強い力で引き戻される



なにかを得ようと手を伸ばそうとしたら


無理矢理強い力がその手を戻そうとする



動こうとすれば否定される


動きたいのに動けない



動こうとすれば怒鳴られる



誰かの目的に沿ってない動きは


まるで許してもらえないかのように



誰にも自分の存在を認めてもらえないように



自分が動くことは誰かの迷惑になる


自分が動くことはいつも間違う


強い、強いインプット


自分はなにもできない存在なんだ





大人になる


声はもう聞こえてこない


怒鳴る声も責めるものはなにもない


 視界に映る自分の手にも


 なにも見えない



それでも、なにも動けない




人は言う。


怠慢だと。



人は言う。


弱いだけだ


気持ちが足りない



人は言う


それはお前がダメなんだ、と。



人は言う


努力が必要だと。




何度も、何度も刷り込まれる



自分が動けないのは


自分のせい



自分ができない存在だから


怒られるんだ



また、強烈にインプットされる


できない自分





 見えない手は


 誰の目にも見えていない



聞こえない声は


誰の耳にも聞こえてこない



強烈なできない自分のインプットが


やりたい自分の邪魔する




あれをしたい、でも怖い


これをしたい、でも怒られる



どうして動けないんだ



何度も自分を叩く




どうして思う通りに動かないんだ



何度も自分を抓る



自分の考えさえ嫌になる



この身体が


この思考が


この息遣いが



全てが憎たらしくて


息の根を止めたくなる



どうしてお前はこうなんだ



自分を何度も責め立てる



首を絞める手は


離れても、自分の喉を潰してくる




うまく息を吸えない


うまく言葉を吐き出せない